2013年02月16日

焼き鳥と竹串

sekatyou.jpgセカチョウ 世界で一番長い焼き鳥
は全国やきとり連絡協議会が審判を務め、一本の竹串に刺した焼き鳥の長さを競い 地域活性化を図るものである。

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お店で手に入る竹串たち


焼き鳥は竹串でなければならない。

世界焼き鳥党ではそう決めている。
しかし、この竹と言うものは中国から伝えられた外来種なのだそうだ。
 竹類はイネ科の植物で、竹と笹とバンブーに分けられるとのこと。
温暖で湿潤な地域に分布し、日本は北限に位置する。
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今、アフリカなどの熱帯地方の
バンブーに期待が集まっている


竹類は草か木かと言う問題を抱えているが、一応竹は木と認められているらしい。(笹は草とのこと)
 竹は成長が早く、筍は一日に1mほど伸びるものもある。
 高さは孟宗竹で25mくらいになるらしいが、普通の木とちがって成長する時期が数ヶ月に限られているせいか、巨大な竹の記録がない。
 竹はどれだけ大きくなるのだろうか。

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それが大きな問題になっているのがセカチョウ(世界で一番長い焼き鳥)である。
2000年に福島県の川俣町で始まり、10mの記録からスタートし、2006年
8月14日には和歌山県の日高川町で11.07mが、同年8月26日には川俣町で11.06mが、10月22日に山口県の長門市で13.28mが達成された。
 2007年4月22日には日高川町で16.46mを達成し各地でブームとなり、2008年には会津若松市と長門市で戊辰戦争140周年の戦いが行われ会津若松が20.85mで140年前のリベンジを果たすことができた。
 その後2009年に川俣町が24.24mを、2010年には北海道美唄市が24.83mの記録を達成してるが、その辺りが孟宗竹の限界らしい。
 今関係者は海外まで出かけて長い竹をさがしているそうである。

by夢之介
posted by yakitori-party at 09:15| Comment(0) | 焼き鳥研究

2013年02月01日

日本初の焼き鳥レシピの言わんとするところ

蘭です。
開店休業中であったこの焼き鳥好きが焼き鳥を語るためだけに集まる「焼き鳥AVANTI」の再オープンに伴い、今一度、焼き鳥の原点に戻ろうと、一から焼き鳥について深く考えてみようと思った。
そこで、世界焼き鳥党HPにもある1682年に発行された料理本「合類日用料理抄」を今一度よくよく考えてみることにした。

「鳥を串にさし薄霜ほどに塩をふりかけ焼き申し候。
よく焼き申す時分、醤油の中へ酒を少加え、右のやき鳥をつけ
一へん付けて醤油のかわかぬ内に座敷へ出し申し候。」


これを自分では、

「鳥肉を串に刺して、かるく塩を振ってよく焼いた後、
醤油&酒のタレにつけて乾かないうちに食べてもらいましょう♪」


と解釈したが、「乾かないうちに」とは何だろう。
味が変わるのだろうか?
その疑問を解明するには、実際に体感してみるしかない!と思い、
その日本初の焼き鳥レシピ「合類日用料理抄」に則って、日本初の正式焼き鳥レシピを作ってみることにした。


材料は至ってシンプル。鳥肉、塩、醤油、酒。せっかくなので酒は「酒は大七、旨さは第一」でお馴染みの福島銘酒「大七純米酒・生元」をセレクト。



@鳥を串にさし薄霜ほどに塩をふりかけ焼き申し候。
鳥モモ肉を一口サイズに切り、串にさす。軽く塩をふる。



Aよく焼き申す時分、醤油の中へ酒を少加え、右のやき鳥をつけ一へん付けてそれをガス台のグリルで焼いていき、中まで火が通ったら、醤油と酒のタレをつける。
分量が書いていないので、とりあえず、醤油:酒=5:5



B醤油のかわかぬ内に座敷へ出し申し候
完成。これが日本初の焼き鳥だ。食べ比べるために、こちらは「乾かして」おく。



残りの2本も焼いて、いよいよ食べ比べる。


まずは、焼きあがったばかりの「乾かぬ」うちの焼き鳥を一口。
至ってシンプルな醤油味で、どこか原始的で粗けづりな印象はあるものの、肉が口の中でほどけていく感覚と素朴な味わいがマッチする。酒と醤油だけなのでうまくタレが絡むか心配だったが、なんのなんの。少ししょっぱいかな?というくらいの「のんべい」好みテイストだ。


では、予め仕上げておいて「かわいた」ほうはどうだろう。
タレが完全に乾いたのを確認して、食す。


…。
先ほどと比べると肉は固くなってしまっていて、味も飛んで抜けていってしまったように薄くなっていた。
そして、もちろんすっかり冷めきっていた。
「かわかぬうちに」の意味は「汁が乾いて冷めきってパサパサになってしまわないうちに」ということだったようだ。

結論

焼き鳥はやはり焼きたてがうまい。


posted by yakitori-party at 18:45| Comment(0) | 焼き鳥研究

2013年01月07日

焼き鳥アバンティ


全ての道はローマに続くらしい。

福島焼き鳥党の心意気を継承した世界焼き鳥党は、とにかく焼き鳥が好きで、焼き鳥を食べては大いに語り合う人なら誰でも参加できることになっている。
最近それを知らない人からの問い合わせが多く、改めて「焼き鳥アバンティ」について語ることになった。
そもそも焼き鳥は、最近までB級グルメにも取り上げられなかった食べ物である。
江戸時代に、竹串を使って直接焼いて調理したものを箸を使わず、手で直接触れることなく食することができると言う今の形が完成されているが、串焼きこそ人類がプロメテウスより火を授かって調理した最初の形だったとも言われている。
そのためか、調理法が発展するにしたがって、串焼きは「原始的なもの」として「料理」から外されたようである。
中華料理でも、串焼きは周辺地域の蛮族の調理法として、レシピの中に入れるべき存在ではなかったらしい。食の文化も、シルクロードを通って東西が結ばれている。
イタリアのパスタは中国から伝わった。少なくとも影響があったことは認められている。
西洋料理は、今はフランス料理が有名だが、もとはと云えばフィレンツェのメジチ家の女性がフランスの宮廷に嫁いだ時に連れて行った料理人が伝えたものらしい。
さらに辿ればローマに通じると云うわけである。
世界の焼き鳥を集め「焼き鳥」のすばらしさを世界に発信しようと言う世界焼き鳥党の若い女性たちが「焼き鳥アバンティ」とイタリア語の入ったブログを立ち上げたのは、そんな背景があったとか、なかったとか。ラジオの影響だけではなかったようである。

世界焼き鳥党の定めた「焼き鳥」は、一応竹串を使うことになっている。
アジアとアフリカ以外の竹がとれない地域では、串焼きは金串を使ったバーベキューが主流になっているが、金串を竹串に代えれば、立派に「焼き鳥」として認定される。
焼き方に関しては、今のところ「直火」のグリルが基本であるが、タンドールのようなオーブンを使った串焼きを認めるか否かで世界焼き鳥党の中でも意見が分かれている。

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竹串に刺したタンドールチキン


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竹串で焼かれたモザンビークの焼き鳥

posted by yakitori-party at 14:50| Comment(0) | 焼き鳥研究